綺麗なフォームとはなんぞや
長距離やってて、タイムが早い選手の走りを見ると、いくつかの共通点があるんです。
その内の一つが、綺麗なフォームで走れていることです。
綺麗なフォームとは何なのか、どうすれば身につくのか。
この記事ではそれを解説していきます。
【目次】
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綺麗なフォームとは
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綺麗なフォームを身につけるには
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ささやかな裏技
綺麗なフォームとは
一言で言うなら、『体の負担が少ない走り方』です。『全身を使った走り方』とも言えます。
ですが実は、綺麗なフォームって絶対的な正解はないんです。
びっくりしましたか?
骨格や体型が異なるように、良いランニングフォームというのも、人それぞれ違うものです。
ですが、4つ共通するポイントがあります。
・全身の筋肉を使っている
・ブレずにフォームを維持出来ている
・やや前傾姿勢
・足音が軽やか。「タンッタンッ」って感じ
などですね。
何故、これが『体の負担が少ない走り方』なのかというと。
綺麗なフォームというのは、ある程度全身の力をバランスよく使うので、特定の部位に異常に力がかかったりしないんです。
この綺麗なフォームにはすごく大きなメリットが二つあります。
一つは、
故障になりにくくなるんですよ。
例えとして、シンスプリントというスポーツ障害を挙げます。
シンスプリントは、ふくらはぎの筋肉に過剰な負担がかかることによって引き起こされる、スポーツ障害の内の一つです。
そう、大抵の故障というのは、必要以上に一つの部位を使いすぎるのが原因なんです。
そして、綺麗なフォームを維持出来るということは、かなりの筋肉を身に付けているということです。
筋肉は、着地したときの衝撃をクッションのように吸収する役割があります。
筋肉がクッション代わりになることにより、直接、膝や腰などを痛めることを防いでくれるんです。
故障になりにくくなるって、凄く重要なメリットだと思いませんか?
二つ目のメリットは、走るのが楽になる。
つまり、走ってて疲れがたまりにくいということです。
これ、凄く重要なポイントですよ。
走るのが楽になるフォーム=エネルギーの消費が少ないフォームです。
エネルギーの消費が少ないということは、以前より走る距離を延ばすこともできる。さらに、無理なくスピードを出すこともできるようになるんです。
これらが、綺麗なフォームで走るメリットです。
とんでもないものですよ、本当に。
ですが、デメリットも一応あります。
それは、綺麗なフォームを身につけるのには、それなりの時間がかかるということです。
そして、綺麗なフォームに変えている期間は思うように走りにくくなる期間でもあります。
一夜にして身につくものじゃないんですよー、綺麗なフォームというのは。
綺麗なフォームを身につけるには
綺麗なフォームを身につけるには、相応の練習が必要になってきます。
特に、自分のフォームに悪い癖がある人ほど、苦戦することになるでしょう。
私も嫌というほどに、経験しましたね…
具体的に、必要な練習は、
・フォームを維持するため、筋肉を鍛える
・体の筋肉の役割を理解する
・イメージトレーニング
・綺麗なフォームのコツを掴む
・常に綺麗なフォームを意識すること。
このの四つです。
出来るだけ、全てを同時並行でやって下さい。
フォームを維持するため、筋肉を鍛える
→日々、長距離選手が筋トレする理由の一つです。
いいフォームを作るため。
(他にも、基礎体力、スタミナ向上、ケガ予防とかもありますが)
具体的に、どの筋肉を鍛えるべきか。
そのことについて解説した記事です。
↓
走ってる時に使う筋肉 - kariiinto1’s blog
筋トレというのは、『高い負荷に耐えられる、かつ高い筋力が発揮できる身体をつくるため』のトレーニングです。
ですが、筋力がある=筋肉を使いこなすって言う訳ではありません。
筋肉を使いこなすために、次のステップがあるのです。
体の筋肉の役割を理解する
→これね。軽視されがちですけど、めちゃ大切なポイントなんです。
この記事を見て下さってる方に、一つ質問をしたいと思います。
走っている時、どのように体の筋肉が動いてるか。そのメカニズムを知っていますか?
もし知らなかったら、ここを知りましょう。
(ここの解説は、別日に記事にします。しばし待ってくだされ)
知っている人は、次のステップに行きましょう。
イメージトレーニング
これだけ見たら、絶対勘違いする人いると思います。ただ目瞑ってイメージするって訳ではありませんよ。
筋トレやってる時や、準備体操とかやってる時、走ってる時なんかもそうですね。
今どこの筋肉を動かしてるか。それを意識して下さい。
《例》
腕立てやってる時。
「あー、今肩の筋肉と、腕の筋肉動かしてるなー。あとこの体勢維持するために、腹の筋肉と、背中の筋肉とかも動いてるなー」
と言った感じで。
別に声に出さなくていいです。なんなら心にも出さなくていいです。なんなら、筋肉の名前にも拘らなくていいです。
とにかく、自分が今どの筋肉を使ってるか。
それをちゃんと意識すること。
そして、使ってる筋肉を、ちゃんと使うのを意識してやること。これを心がけて下さい。
綺麗なフォームのコツを掴む
→これまでの三つは、筋肉を鍛えること+筋肉の使い方について話しました。
今回から、綺麗なフォームについて本格的に話していきますよー。
ですが、その前に。
綺麗なフォームで走った方がいいって言われても、綺麗なフォームがどんなものか分からないと、真似出来ないですよね?
そこで、この記事を読んでいる全員にオススメしたいことがあります。
まずは、あなた自身の目で、綺麗なフォームを見ましょう。
YouTubeでも、全国駅伝でも、見ようと思えばいくらでも見れます。
この世界は、綺麗なフォームを見る方法で溢れているんです。なので、見ましょう。
【第104回日本選手権長距離】女子10000m 決勝 - YouTube
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【第104回日本選手権長距離】女子10000m 決勝
色んな動画がありますが、例の一つとしてYouTubeから持ってきてきました。
#ナンバーワンしかいらない、にはカチンとしましたが、いい走りの参考になると思います。
【第104回日本選手権】 男子 1500m 決勝 - YouTube
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【第104回日本選手権】 男子 1500m 決勝
やはり、#ナンバーワンしかいらない、にカチンしますが。
男の方がいい!という人のために、持ってきました。
綺麗なフォームを見ましたね?
次は、自分の走ってる姿を撮影しましょう。練習風景でも大丈夫です。
ちなみに現役時代の私は、マネージャーが試合の時にスマホで撮影してくれていました。
さて、画面の中で走ってる自分の姿と、綺麗なフォームで走ってる人と比べてみましょうな。
物凄く己の精神が削られていく想いに駆られる(個人的感想)でしょうが、ノートなりメモに、自分に足りていない点を書いていきます。
もし、コーチのような存在がいるのなら、自分のフォームについて相談しましょう。
まともなコーチなら、大体は喜んで相談に応じてくれると思います。
そうでないのなら、陸上系のYouTube動画を見ることをオススメします。
いくつかオススメ動画を挙げておきますね。
【初心者必見】正しいランニングフォームの作り方 - YouTube
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【初心者必見】正しいランニングフォームの作り方
真鍋未央さんという方が解説して下さっているものですね。
見ましょう(圧)。
正しい例と、悪い例を比べてくれているので、特に見やすい動画です。
初心者の方に特におすすめしたい動画です。
【スピードUP】たった2つの意識で時速20キロで走る方法 - YouTube
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【スピードUP】たった2つの意識で時速20キロで走る方法
タカヤマラソンさんが解説している動画です。
この動画では、綺麗なフォームには欠かせない『反発』について丁寧に解説して下さっています。
走る時に、ドシドシ大きい音が出てしまう人にオススメします。
【初心者必見】正しいランニングフォームを伝授します!【着地】【腕振り】 - YouTube
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【初心者必見】正しいランニングフォームを伝授します!【着地】【腕振り】
真鍋未央さんが解説して下さっている動画です。
着地も解説して下さっていますが。腕振りを丁寧に解説してる動画ってあまりないように感じるので、腕振りに問題を感じる方は、ぜひ見て欲しいです。
【超必見】スピードがすぐ上がる‼腰が落ちない膝を使った走り方 - YouTube
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【超必見】スピードがすぐ上がる‼腰が落ちない膝を使った走り方
タカラヤマラソンさんが解説している動画です。
走ってる時に腰が落ちてる人って結構多いので(へっぴり腰なんて風に呼ばれてる)そんな方に見てもらいたい動画です。
これらの動画を見て、少しでも綺麗なフォームがどんなものなのか。
そのイメージを掴んで下さい。
常に綺麗なフォームを意識すること
最後に行き着くのが、これです。
ちゃんと意識しましょう。
走る時にどのような筋肉を使っているか。そして、なりたい目標のフォームをちゃんと意識する。
これ、簡単なようで物凄く難しいですよ。
だって疲れてきた時とか、筋トレで筋肉が爆死してる時とかも、意識しないといけないってことですから。
地味なことだけど、紹介してきた5つの中でトップレベルで難しいです。
逆に、ここを意識してちゃんとやれる人は将来輝けます。
責任を持って断言します。
この五つ全てをちゃんとコツコツやっている人は、いいタイムを叩き出せますよ。
ささやかな裏技
坂道トレーニング、というのがありまして。
要は、急な坂道で練習することです。
意外に思うかもしれませんが、坂道トレーニングってフォーム改善に有効だったりします。
というのもですね。
坂道って、無意識に前傾姿勢になりますよね?
綺麗なフォームの条件のうちの一つに、やや前傾姿勢というのがありました。
坂道は、その前傾姿勢というのを身につけるのにぴったりな場所なんです。
前傾姿勢を身につけたいと思うなら、坂道で練習をしてみるのも一つの手ですよ。